STORY

壮麗な雪山で続いてゆく負の連鎖

中年会社員のトーマスは、休暇に家族とスキー旅行に向かった。しかし、妻とは長く倦怠期が続いており、娘は反抗期。成り行きで上司の娘であるザラも連れて行くことになる。コテージに到着後、娘たちは地元の青年セヴェリンに誘われてパーティーに出かける。迎えにきたトーマスが目にしたのは、街角で悲痛に暮れるザラの姿だった。彼女はセヴェリンにレイプされたと告白する。保護者として事態の収拾にあたるトーマスは、穏便に済ませようと小さなウソを重ねていくが、彼を取り巻く状況はゆっくりと混沌へ向かってゆく──。

 

偽善的な行動、自己保身、事なかれ主義──人間関係のあらゆる不和に目を背けることなく描き出した巧みな脚本。そこに役者陣の確かな演技が加わり、本国スイスでは数々の映画賞を受賞し、絶賛を博した。この物語で描かれているのは、決して異常な人間ではない。どこにでもいる、いたって普通の“まともな人間”なのだ。心を揺さぶる衝撃の結末に、私たち観客は何を思うのか。

監督・脚本:ミヒャ・レビンスキー 主演:デーヴィト・シュトリーゾフ(『ヒトラーの贋札』2007年、『厨房で逢いましょう』2006年)

2015年/スイス/原題:Nichts Passiert/ドイツ語/カラー/シネスコ/5.1ch/92分/日本語字幕:二階堂峻/配給:カルチュアルライフ

後援:スイス大使館